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2022.07.17

松本和将氏によるペダル講座

 先日、ピアニスト松本和将氏による「新・ペダルテクニック講座」に参加してきました。


全3回の講座で、参加できたのは最終回の応用編のみでしたが、1回だけでも十分に理解でき、充実した内容の濃い時間を過ごすことができました。

ある程度の難易度の曲になるとピアノ演奏にペダルを使うことは欠かせませんが、案外ペダルについてしっかりと学んだことが無かったように思います。
自分の勘に頼って踏んでいるところがあり、ペダルの使い方についてじっくり考えたり、追及してこなかったことに今更ながら気が付きました。

今回松本氏のたくさんの実践付きの解説を聴きながら、ペダルの踏み方で響き方、聞こえ方にものすごい差が出ることを実感しました。
そして本当に繊細にペダルの踏み方を使い分けていらっしゃることに感動しました。

今回の講座を通して特に印象に残っていることを備忘録として、こちらに書き留めておこうと思います。

先ず、ペダルは何のために踏むのか、について松本氏は以下のように仰っていました。
・音を伸ばす
・響きをつくる
・余韻をつくる
・音を膨らませる/しぼませる
・音色を変える

また、ペダルは踏むか踏まないかのON、OFFで使うのではなく、10段階以上の何通りもの踏み方がある、と。
ピアノに寄っても個性があり、それぞれのピアノに寄って踏み分けることはもちろん、会場の響き方に寄ってもその都度変える必要がある。
良いペダルの踏み方とは、どんな音を出したいのかイメージを持ち、自分の音をよく聴くこと。(耳でペダルを踏むイメージ)

作曲家の時代背景に寄っても踏み方は全く違う。
例えばバッハなどのバロック時代の曲はとにかく濁りがでないように、美しく聞こえるように。

また、楽譜に書いてある通りに踏むことが良いわけではない、とも仰っていました。
ペダルが書いていなくても踏んでも良いし、踏むことによって濁りが出てしまう場合はあえて踏まない選択をするべき。
作曲家が生きていた時代のピアノと現代のピアノでは響き方が大きく違うため、現代のピアノに合わせたペダルの踏み方をするべき。


松本氏の演奏を間近で聴くことができ、ペダルの使い方もモニターでアップで観ることができて本当に貴重な機会でした。
今まで疑問に思っていたことの答え合わせがたくさんできて、たくさんの気付きと発見があり、あっという間の2時間でした。

普段のレッスンでも生徒さんたちの指導の中で活用していきたいと思いますし、自分の演奏でももっとペダルの使い方に注意を向けて行こうと思いました。

9月7日には、今回の講座の集大成として松本氏のコンサートが開催されます。
今回の講座であったように、足元をアップにしたモニターが設置されるそうでペダルの踏み方をしっかり見ながら演奏を聴けるという、異例なコンサートになるようです。
私もスケジュールが合えば、聴きに行きたいと思っています。

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